霊獣デッキ回し方・リンク新ルール環境での優勝デッキレシピ構築【遊戯王OCG】
「霊獣」デッキとは
霊獣デッキとは「精霊獣」「霊獣使い」と名のついたモンスターと「聖霊獣騎」と名のついた融合モンスターを主軸にしたデッキテーマ。「霊獣」デッキの戦術は、融合召喚を駆使して「聖霊獣騎」モンスター融合召喚してアドをとっていくというもの。
「聖霊獣騎」モンスターの融合は
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)
という条件で融合召喚でき、フィールドに「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスターを揃える、素材を除外して融合していく。そのため、融合テーマではあるが基本的に「融合」魔法カードは使わない。
唯一「聖霊獣騎」モンスターの中でも、リンクモンスターである《聖霊獣騎キムンファルコス》に限っては、「霊獣モンスター×2体」をリンク素材として墓地に送り、出していけるEXモンスターになる。
霊獣デッキは、除外ソース・墓地ソースを利用して、展開していくデッキテーマになっていて、非常に頭を使う玄人向けデッキテーマでもある。今回は、そんな新ルール(リンク環境)における「霊獣」デッキの回し方・優勝デッキレシピを紹介していきます。
「霊獣」デッキ回し方
勝ち筋はとにかく盤面をしのぐコントロール型
霊獣デッキの勝ち筋は、トラップカードを中心に、相手の動きを妨害ししのぎ、盤面を維持するコントロール型。
まず、「霊獣」デッキは除外をするテーマなので、《マクロコスモス》《次元の裂け目》を採用できる。そのため、墓地ソースを活用する相手デッキへのメタをしていくことができる。特に昨今の環境でマクロ次元が刺さるケースが多いので、その点メタを考えた時に有利になる。
さらには魔法カードの採用枚数も少ないので、《王宮の勅命》や《魔封じの芳香》等の魔法カードメタカードを使って、相手の動きを止めていくこともできる。
また、後述するが、《聖霊獣騎カンナホーク》のサーチ効果を利用することで、《霊獣の連契》《霊獣の騎襲》2枚の罠カードを使っていく。この2枚で、相手の盤面アドを崩し、自分の盤面アドを固めるのがこのデッキのキーポイントになる。
《霊獣の連契》
通常罠
(1):自分フィールドに「霊獣」モンスターが存在する場合に発動できる。自分フィールドの「霊獣」モンスターの数まで、フィールドのモンスターを選んで破壊する。
《霊獣の騎襲》
通常罠
「霊獣の騎襲」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、「霊獣使い」モンスターと「精霊獣」モンスターをそれぞれ1体ずつ対象として発動できる。対象のモンスターを守備表示で特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は「霊獣」モンスターしか特殊召喚できない。
「霊獣」デッキは多面展開できる展開力に優れているので、
相手の妨害することでその盤面アドを守り、ビートして勝っていくという戦術をとるデッキだ。
《聖霊獣騎カンナホーク》がキーカード
《聖霊獣騎カンナホーク》
融合・効果モンスター
星6/風属性/雷族/攻1400/守1600
「霊獣使い」モンスター+「精霊獣」モンスター
自分フィールドの上記カードを除外した場合のみ特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。
(1):1ターンに1度、除外されている自分の「霊獣」カード2枚を対象として発動できる。そのカードを墓地へ戻し、デッキから「霊獣」カード1枚を手札に加える。
(2):このカードを持ち主のEXデッキに戻し、除外されている自分の、「霊獣使い」モンスター1体と「精霊獣」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。
このデッキのキーカードである《聖霊獣騎カンナホーク》を使って、サーチと除外からの特殊召喚を繰り返していく。
《聖霊獣騎カンナホーク》を出すのがまず重要になるのだが、そもそもこのカードを出していくには「精霊獣」と「霊獣使い」をそれぞれフィールドに揃えなくてはならない。
そのために使うのが《霊獣使いの長老》だ。このカードを召喚→効果で召喚権が増えるので、何か「精霊獣」モンスターを出して、融合召喚していく。後述するが、ここで出す精霊獣モンスターは《精霊獣カンナホーク》であると尚良い。(《緊急テレポート》などの特殊召喚を使って揃えるのでも良いのだが、「霊獣」モンスターは特殊召喚が1ターンに1度に制限されているのでなるべく長老経由で出したい)
《聖霊獣騎カンナホーク》の①効果、②効果は、ともに除外されている2枚が必要になるカード。《聖霊獣騎カンナホーク》を融合召喚する際に除外した「精霊獣」と「霊獣使い」がいるので、効果を使っていく分には問題なのだが、
《精霊獣騎カンナホーク》の効果を最大限に発揮できるのが「除外カードが3枚の場合」だ。今回はそのコンボを説明しよう。
【展開例】
《霊獣使いの長老》召喚→
《精霊獣カンナホーク》を召喚→
《精霊獣カンナホーク》効果発動で「精霊獣」モンスターを何か(ここでは精霊獣ラムペンタとする)1枚デッキから除外。
《精霊獣カンナホーク》《霊獣使いの長老》を除外し、《聖霊獣騎カンナホーク》を融合召喚。
ここから《聖霊獣騎カンナホーク》①効果発動(対象をラムペンタと長老)→その効果に②効果をチェーン発動(対象を長老とカンナホーク)することで、
チェーンを逆処理で、②効果でEXデッキに《聖霊獣騎カンナホーク》を戻し、除外されている《精霊獣カンナホーク》と《霊獣使いの長老》を特殊召喚→
①効果が処理だが、対象の2枚のうち1枚を墓地に戻せればOKという裁定をもらっているので、残りの1枚《精霊獣ラムペンタ》を墓地に戻し、デッキから霊獣カードサーチ(霊獣の連契など。)
《精霊獣カンナホーク》効果は名称指定の1ターンに1度がついていないため、もう一度効果を使って、「霊獣使い」モンスター(ここでは精霊獣使いウィンダ)をデッキから1枚除外。
再び《精霊獣カンナホーク》と《霊獣使いの長老》を素材除外で、《聖霊獣騎カンナホーク》を融合召喚→
再度①効果を使う。除外されている《ウィンダ》と《カンナホーク》を対象で発動。《ウィンダ》と《カンナホーク》を墓地に戻し「霊獣」カード1枚をサーチ(霊獣の騎襲など)
最終局面:
- フィールドに《聖霊獣騎カンナホーク》
- 除外:《精霊獣の長老》
- 墓地:《精霊獣使いウィンダ》《精霊獣ラムペンタ》《精霊獣カンナホーク》《精霊獣使いウィンダ》
- 手札:《霊獣の騎襲》《霊獣の連契》
また《精霊獣ラムペンタ》と《霊獣使いの長老》からのスタートの場合は、
【展開例】
《霊獣使いの長老》召喚→
《精霊獣ラムペンタ》を召喚→
《精霊獣ラムペンタ》効果発動でEXデッキから《聖霊獣騎アペライオ》除外→デッキから《精霊獣アペライオ》を墓地へ。
《精霊獣ラムペンタ》《霊獣使いの長老》を除外し、《聖霊獣騎カンナホーク》を融合召喚。
《聖霊獣騎カンナホーク》①効果発動(対象をラムペンタと聖霊獣騎アペライオ)→その効果に②効果をチェーン発動(対象を長老とラムペンタ)することで、
逆処理:《精霊獣ラムペンタ》と《霊獣使いの長老》を特殊召喚→聖霊獣騎アペライオを墓地に戻し《霊獣の連契》サーチ。
再度《精霊獣ラムペンタ》効果で、EXデッキから《聖霊獣騎ガイアペライオ》除外して、サイキック族の《精霊獣使いのウィンダ》をデッキから墓地へ。
《精霊獣ラムペンタ》と《霊獣使いの長老》で再び《聖霊獣騎カンナホーク》を融合召喚。
《聖霊獣騎カンナホーク》①効果発動(対象を精霊獣ラムペンタと聖霊獣騎ガイアペライオ)→2枚を墓地に戻し、《霊獣の騎襲》サーチ。
最終局面:
- フィールドに《聖霊獣騎カンナホーク》
- 除外:《霊獣使いの長老》
- 墓地:《精霊獣使いウィンダ》《聖霊獣騎アペライオ》《聖霊獣騎ガイアペライオ》《精霊獣ラムペンタ》《精霊獣アペライオ》
- 手札:《霊獣の連契》《霊獣の騎襲》
このように、《聖霊獣騎カンナホーク》を使い回すことで、《霊獣の連契》《霊獣の騎襲》をセットして、相手の動きを止めつつ、盤面を守っていくというのが動きの特徴。
《霊獣の騎襲》は墓地の霊獣モンスターも特殊召喚できるので、除外ゾーンにカードがなくても、フィールドに霊獣を展開することができる利点があるので、戻したい特殊召喚したいカードを墓地に戻しておいても大丈夫になる。
《霊獣の騎襲》で積極的に出していきたいカードは、相手ターンをしのぐのに《精霊獣使いウィンダ》は壁としてもかなり強い。そのため《聖霊獣騎カンナホーク》で《精霊獣使いウィンダ》を墓地に戻して、《霊獣の騎襲》で特殊召喚していくと良い。(除外ゾーンにはなるべくカードを残しておいた方が良いため)
《精霊獣使いウィンダ》は相手によって破壊された場合、EX・デッキから「霊獣」モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚できる。攻撃力3200の《聖霊獣騎ガイアペライオ》を出していくこともできし、2枚目以降の《精霊獣使いウィンダ》をデッキから出していくこともできる。
また、リンクモンスターである《聖霊獣騎キムンファルコス》が登場したことによって、
《霊獣使いレラ》もしくは《英霊獣使いセフィラピリカ》などの墓地ソースを活用するカードが活きるようになった。
《精霊獣カンナホーク》《精霊獣ラムペンタ》をうまく駆使しながら、除外ゾーンと墓地を増やしながら、《聖霊獣騎カンナホーク》のサーチ効果で《霊獣の連契》《霊獣の騎襲》を持ってくる動き自体は変わらないが、動きのパターンも増えた。
又、「霊獣モンスター2体」で出していけるため、「霊獣使い2体」「霊獣2体」など従来では事故になった部分に対してのケアができるようになった。又、リンク先の「霊獣」モンスターの攻守を600アップさせる効果もあるので、打点底上げにも寄与してくれる。
霊獣モンスターは全て1ターンに1度の特殊召喚制限があるが、もちろん相手ターンをしのぎ、次の自分ターンを迎えれば再度特殊召喚していくことができるので、1度、フィールド・墓地・除外ゾーンに、霊獣が肥えてしまえばこっちのもの。
ターンが帰ってきたあとも、《聖霊獣騎カンナホーク》のアドをとる動きをして、フィールドを多面展開し、制圧していけば一気にキル打点を作りビートしていくことができる。
「霊獣」モンスターはレベル4モンスターが多いことから、《希望皇ホープザライトニング》や《ガガガザムライ》《ガガガガンマン》などのフィニッシャーを用意しやすいのも良い。
状況に合わせたランク4エクシーズを採用して、勝負を決めていくことができる。
「霊獣」デッキは、モンスターの打点が低く、さらにメタを受けると止まりやすい点もあるので、基本的にターン数をまたげばまたぐほど解答を用意され、妨害されてしまう可能性が高くなる。そのため、なるべく早いターンで決着をつけることを目標にしたいところ。
「霊獣」デッキの弱点
立て直しが難しい
「霊獣」デッキの弱点は、弱点は盤面アドを崩されたら立て直しが難しいことだ。
「除外ゾーンと墓地」が肥えていればどんどんアドをとっていけるのだが、その前提条件になるのが「聖霊獣騎」融合モンスターがフィールドにいること(もしくは霊獣モンスターが複数いること)だ。
フィールドのモンスター全て除去され、ターンを返されてしまったら、また「霊獣」モンスターと「霊獣使い」モンスターを揃えるところから始めないと動いていくことができない。《霊獣の騎襲》があれば立て直しもできるが、それも使ってしまった上でフィールドの霊獣除去をされてしまうと一気に劣勢になってしまう。
そのため、霊獣デッキは、とにかく盤面展開・多面展開をして、その盤面を相手ターン中に守り抜くことが大事になる。
特定のカードへの依存度が高い
また一度展開すれば爆発力がある「霊獣」デッキだが、最初の初動で「霊獣」モンスターと「霊獣使い」モンスターを揃える必要があるが、そのための召喚権を増やせる《霊獣使いの長老》や、霊獣を除外できる《精霊獣カンナホーク》《精霊獣ラムペンタ》などへの展開依存度が高いということもあげられる。
特に《霊獣使いの長老》は、《聖霊獣騎カンナホーク》を初手で出していくにはほぼ必須になってくるので、このカードを引けるかどうかがかなり重要になってくる。
逆に引けない時は、なんとかターンしのぐ必要があるので、霊獣デッキには《激流葬》《聖なるバリアミラーフォース》などの守りを固める系の罠カードが採用されることが多い。《精霊獣使いウィンダ》をひければ《ウィンダ》をセット・罠セットで、相手ターンへ返していく感じの初動になる。
展開札をひければ展開していき、もし引けない場合は、セットカードなどで対処して相手ターンをしのいでいくという守りをを固めていく戦略になってしまう。
まとめ
「霊獣」大会優勝デッキレシピ構築紹介・回し方解説をしてまいりました。
「霊獣」デッキは、もちろん弱点はありますが一気に展開できる展開力、そして何より除外による「マクロ次元」をつかていけるメリットはでかい。
さらに、やり込めばやり込んだ分だけ回し方が上達するやりこみ度も高いデッキです。実戦でもそうですが、一人でソリティアを楽しめたり、予習をしたりして構築を考えていくデッキでもあるので、使っていて組んでいて楽しいテーマでもあります。是非、霊獣デッキのこのテクニカルな動きを堪能してみてください!